
ポータブル電源って、車に積みっぱなしにしておいたらダメなの? 毎回おろすの、けっこう大変なんだけど……。

結論からいうと、積みっぱなしはおすすめしないよ。ボクも沖縄で車中泊をするときだけ積んで、帰ったらすぐ家に戻しているんだ。
「ポータブル電源の車に置きっぱなしでも大丈夫?」
「冬なら車内放置しても平気?」
車中泊やキャンプでポータブル電源を使っていると、一度はこう思いますよね。毎回の積み下ろしは、正直かなり大変です。
とはいえ、各ポータブル電源ブランドも車内に放置しないように注意しています。窓を閉め切った夏の車内は、30分で45℃くらいまで上がることがあるからです。冬は冬で、寒さで充電できなくなることがあります。
この記事では、夏と冬の車内放置で何が起きるのかを、メーカーの公式の数字と公的なテストのデータで説明します。そのうえで、暑い沖縄でプロボックス車中泊をしているボクが、実際にどうやってポータブル電源を積んでいるかも紹介します。
この記事でわかること
- ポータブル電源を車に積みっぱなしにしてはいけない理由
- 夏と冬の車内放置で起きること
- 「リン酸鉄なら車内放置しても平気」が本当かどうか
- どうしても車に置いておくときの対策
ポータブル電源を車に積みっぱなしにしていい?答えは「基本NG」

ポータブル電源の車内放置は、基本的にやめておきましょう。理由はシンプルで、車の中はポータブル電源が使える温度の範囲を、かんたんに超えてしまうからです。
ポータブル電源には、メーカーが決めた「使っていい温度」があります。ボクが使っているJackery 1000 Newの場合はこうです。
| 項目 | Jackery 1000 New |
|---|---|
| 動作温度(使える温度) | -10℃〜45℃ |
| 充電温度(充電できる温度) | 0℃〜45℃ |
どちらも上は45℃まで。夏の昼間の車内は45℃を超える日がほとんど。冬は、0℃を下回ると充電ができません。
使っていないときの「保管温度」にも目安があります。Jackeryは、保管する期間によって次の温度をすすめています。
| 保管する期間 | すすめられている温度 |
|---|---|
| 1か月以内 | -20℃〜45℃ |
| 3か月以内 | 0℃〜45℃ |
| 1年くらい | 0℃〜25℃ |
長く置いておくほど、すすめられる温度の幅はせまくなります。車に何週間も積みっぱなしにすると、昼の暑さや夜の冷えこみで、この範囲から外れる時間が出てきやすくなります。
夏の車内放置がダメな理由|車内は30分で45℃をこえる

夏の車内は、思っている以上に暑くなります。JAF(日本自動車連盟)が2012年8月に行ったテストの結果がこちらです。
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| 外の気温 | 35℃ |
| 30分後の車内(窓を閉め切った黒い車) | 約45℃ |
| 15時ごろ(停車から約3時間後)の車内 | 55℃をこえた |
| 車内のいちばん高い温度(黒い車・対策なし) | 57℃ |
| ダッシュボードの表面 | 79℃ |
| サンシェードを付けた車の、車内のいちばん高い温度 | 50℃ |
窓を3cm開けておいた車でも、30分後には約40℃になりました。窓を少し開けるくらいでは、暑さはふせげません。
30分でもう、Jackeryの使える温度の上限(45℃)に届いています。サンシェードを付けても、車内のいちばん高い温度は50℃で、上限をこえたままです。
ポータブル電源の電池は、熱い場所に長く置くほど劣化が早くなります。劣化すると、ためられる電気の量が少しずつ減っていきます。せっかく大きな容量のものを買っても、夏の車内に置きっぱなしにしていると、その分を早く失ってしまいます。
ダッシュボードの79℃は、電池にとってはかなり危ない温度です。ダッシュボードの上や、日が当たる窓ぎわには、短い時間でも置かないようにしましょう。

サンシェードを付けても50℃もあるのね。それならやっぱり置いていけないわ。

沖縄は夏が長いから、ボクも夏は人一倍気をつけているよ。
冬の車内放置は大丈夫?寒さで起きる3つのこと

「夏がダメなら、冬なら置きっぱなしでもいいのでは?」と思うかもしれません。でも冬は冬で、寒さによる困りごとがあります。
0℃を下回ると充電できない
Jackery 1000 Newの充電できる温度は0℃からです。冬の夜に車内が0℃を下回ると、ソーラーパネルや車のシガーソケットから充電しようとしても、充電が始まらないことがあります。
寒いと使える電気が少なく感じる
電池は寒いと力を出しにくくなります。いつもと同じ使い方でも、残量の減りが早く感じることがあります。冬の車中泊で電気毛布を使う予定なら、容量に少し余裕を持たせておくと安心です。
冷えた本体をすぐ暖かい部屋で充電しない
冷えきったポータブル電源を暖かい部屋に入れると、表面に水滴がつくことがあります。家に持ち帰ったら、しばらく部屋の温度になじませてから充電しましょう。
「リン酸鉄なら車内放置しても平気」は本当?

「リン酸鉄リチウムイオン電池なら安全だから、車に置きっぱなしでも大丈夫」という話を見かけることがあります。これは半分だけ正しくて、半分はまちがいです。
正しい部分
リン酸鉄リチウムイオン電池は、スマホなどに使われる電池にくらべて熱に強く、発火しにくいといわれています。
充電できる回数も多く、長く使えます。今のJackeryのNewシリーズやPlusシリーズは、この電池を使っています。
まちがっている部分
熱に強いといっても、使える温度の範囲が決まっていることは同じです。
Jackery 1000 Newも、リン酸鉄の電池を使っていて、上の温度は45℃まで。夏の車内の55℃や57℃には対応していません。
Jackeryの取扱説明書にも、炎天下の車内など「高温(45℃以上)になる場所で使用したり、放置しない」と書かれていて、その理由として発熱・発火・破裂のおそれが挙げられています。燃えにくい電池を使っていても、メーカーは車内放置をしないように注意しているのです。
寒さについても、リン酸鉄の電池が特別に強いわけではありません。0℃を下回ると充電できないのは、さきほど説明したとおりです。
つまり、リン酸鉄の電池は「もしものときに燃えにくい、安心な電池」ではありますが、「車に置きっぱなしにしていい電池」ではありません。

リン酸鉄なら大丈夫だと思ってた……。

安心な電池だからこそ、温度を守って長く使いたいね。
≫車中泊におすすめのポータブル電源19選(リン酸鉄の電池を使ったモデルを比較)
沖縄で車中泊するボクのルール|積むのは車中泊の日だけ


ボクは沖縄で、プロボックスを車中泊仕様にして使っています。ポータブル電源はJackery 1000 Newと300Dの2台。どちらも、車に積むのは車中泊の日だけです。
ルール1. 家から積むのは出発の直前
ポータブル電源は、出発する直前に家から車へ運びます。
前の日の夜から積んでおくことはしません。
ルール2. 置き場所は荷室の左側
車中泊のときは、荷室の左側(直射日光の当たらないところ)に置いています。
置き場所を決めておくと、積むときに迷わず、家族にもどこにあるかすぐ伝わります。
ルール3. 車を離れるときは、長い時間はなれない
車中泊の途中で、観光や買い物に出かけることもあります。
そのときポータブル電源は車に置いたままですが、なるべく長い時間はなれないように気をつけています。
ルール4. 帰ったらすぐ家に戻す
家に帰ったら、すぐにポータブル電源を家の中へ移します。
家ではベランダでソーラーパネルから充電して、終わったらリビングの片すみに置いて、妻と息子もいつでも使えるようにしています。

家に戻すのは、暑さ対策のためだけなの?

それだけじゃないんだ。家でも使っているからね。息子がSwitch 2で遊ぶときに、ポータブル電源からモバイルモニターとSwitch 2に繋いでるじゃん、少しかもしれないけど節電になっている気がする。
積みっぱなしにしない2つの理由
ボクが積みっぱなしにしない理由は、2つあります。
- 沖縄の暑さが心配だから:沖縄は夏が長く、日ざしも強いです。車の中に置きっぱなしにするのは不安があります。
- 家でも使うから:車中泊の日以外も、ベランダでの充電や、息子のゲームで使っています。
1000Whクラスは、運ぶのが少し大変
積み下ろしで感じるのは、やっぱり重さです。Jackery 1000 Newは約10.8kg。妻が運ぶにはちょっと厳しい重さです。
毎回車から下ろすつもりなら、容量だけでなく「家族も運べる重さか」も、ポータブル電源選びのポイントになります。

どうしても車に置いておくときの5つの対策

車中泊の途中で車を離れるときなど、どうしても車に置いておく場面はありますよね。そんなときは、次の5つを守るだけでも、だいぶちがいます。
置いておく時間をできるだけ短くする
JAFのテストでは、窓を閉め切った黒い車の車内が、30分で約45℃になりました。
置いておくなら「少しの時間だけ」と決めて、長い時間はなれないようにしましょう。ボクもここを一番気をつけています。
日が当たらない場所に置く
ダッシュボードの上は、JAFのテストで79℃になりました。
窓際も、日が当たって熱くなりやすい場所です。日が当たらない床の上や、荷物のかげに置きましょう。
日かげに止めて、サンシェードも使う
できるだけ日かげに車を止めましょう。
サンシェードは、車内全体の温度はあまり下げられませんが、日ざしが直接当たるのをふせげます。
電源を切っておく
車を離れる間は、ポータブル電源の電源を切っておきましょう。
使っていないのに電気を流しつづける必要はありません。
外から見えないようにする
ポータブル電源は高価なので、外から見えると盗まれる心配もあります。
ブランケットなどをかけて、外から見えないようにしておくと安心です。

これなら、ちょっと買い物に行くくらいなら安心ね。

そうだね。でも「ちょっと」が長くならないように、そこだけは気をつけよう!
ポータブル電源の車内放置・積みっぱなしに関するよくある質問
ポータブル電源は、車に積みっぱなしにしても大丈夫?
おすすめしません。
夏の車内は使える温度の上限をこえやすく、冬は0℃を下回ると充電できなくなります。使う日だけ積むのがいちばん安心です。
冬なら車内放置しても大丈夫?
冬も気をつけましょう。
Jackery 1000 Newの場合、充電できるのは0℃からです。寒い地域では、夜の車内が0℃を下回ることがあります。
リン酸鉄の電池なら、車内放置しても平気?
平気とはいえません。
リン酸鉄の電池は熱で燃えにくい安心な電池ですが、使える温度の範囲が決まっていることは同じです。
夏の車内は何度くらいになる?
JAFのテストでは、外の気温35℃の日に窓を閉め切った黒い車で、30分後に約45℃、15時ごろには55℃をこえました。
ダッシュボードの表面は79℃でした。
少しの時間だけ車に置くなら、どこがいい?
日が当たらない床の上や、荷物のかげがおすすめです。
ダッシュボードの上や窓ぎわは避けましょう。
モバイルバッテリーの車内放置もダメ?
モバイルバッテリーも、暑い車内に置きっぱなしにするのはやめておきましょう。
使える温度は製品ごとにちがうので、取扱説明書で確認してください。
走行中の振動は大丈夫?
走っている間に倒れたり、すべったりしないように置き場所を決めておきましょう。
ボクは荷室の左側と決めています。
走りながらポータブル電源を充電してもいい?
家ではどこに置けばいい?
直射日光が当たらず、暑くなりすぎない部屋の中がおすすめです。
ボクはベランダでソーラー充電をしたあと、リビングの片すみに置いています。
長い間使わないときは、どう保管すればいい?
Jackeryは、1年くらい保管するなら0℃〜25℃をすすめています。
取扱説明書では、残量60〜80%くらいで保管して、3か月に1回くらい動くか確認することがすすめられています。
冷えたポータブル電源は、すぐ充電していい?
冷えきった本体を暖かい部屋に入れると、表面に水滴がつくことがあります。
しばらく部屋の温度になじませてから充電しましょう。
毎回車から下ろすのが大変です。いい方法は?
家族も運べる重さのモデルを選ぶのも1つの方法です。
ボクのJackery 1000 Newは約10.8kgで、妻が運ぶにはちょっと厳しい重さです。容量と重さのバランスで選びましょう。
まとめ|ポータブル電源は「使う日だけ積む」がいちばん安心

ポータブル電源の車内放置・積みっぱなしは、おすすめしません。
- 窓を閉め切った夏の車内は、30分で約45℃。
- 冬は0℃を下回ると充電できない
- リン酸鉄の電池でも、使える温度の範囲は同じ
- どうしても置くときは、短い時間だけ・日の当たらない場所・電源オフ・外から見えないように
ボクも、暑い沖縄でプロボックス車中泊をするときだけポータブル電源を積んで、帰ったらすぐ家に戻しています。
家でもソーラーパネルで充電したり、息子のゲームで使っているので、車に置きっぱなしにはしていません。
これから買う人は、容量だけでなく「毎回積み下ろしできる重さか」も考えて選んでみてください。ここさえ押さえておけば大丈夫です。